コロナ禍に伴い、キャンプを楽しむ機会が我が家では増えました。
キャンプは、不便を楽しむとも言われておりますが、個人的には協働に通じるものがあるなぁと最近感じております。
世の中には、快適な日常生活を送るために便利なアイテムや仕組みなどが増えています。
情報においてもSNSが普及し、誰もが気軽に情報を発信でき、受け手も多くの情報の中から自分が欲しい情報に出会える機会が増えています。
極端な話ですが、パソコンやスマートフォンがあるだけで、買い物も仕事もできてしまいますので、家から一歩も出ずしかも人と合わずに生活することさえできてしまいます。
便利になればなるほど快適になっていくことは素晴らしいこと。しかし一方で、何か物足りなさを感じてしまいます。
その原因は、平凡やマンネリ、寂しい気持ちなどがあると思います。
その解消法としては、新しい出会い、新しい価値観、達成感などが必要に感じております。これらは、自分一人で解決できるものでないかもしれません。
我が家にとっては、新しい出会いや達成感を感じることがキャンプでした。
私は子供のころから親と釣りやキャンプなど親しんだことがありアウトドアが好きになる環境がありました。
我が家の家族は、そういった経験が少なかったせいかキャンプに対して「面倒くさい」「寝心地悪そう」などネガティブなイメージが当初ありました。ある時、ひょんなきっかけでご近所の方とキャンプトークで盛り上がり、一緒に行く機会ができました。
一見面倒くさいと思っていたテントの設営や火を起こすことを家族総出でやりました。
一緒に作業をすることで自然と会話も増え、テントが完成するとちょっとした達成感も味わえました。また、揺らめく炎を見ながらコーヒーを飲むひとときの居心地の良さを体感したことで、「こういったことも大切だよね」と実感してもらえました。
表裏一体(二つのものの関係が、表と裏のように密接で切り離せないこと)ということわざがあります。
「面倒くさいこと」と「楽しい」は表裏一体。また、「面倒くさいこと」と「大切なこと」も表裏一体のような気がします。
協働においても、不便なことや面倒くさいことがあっても、達成感やりがいに変わる瞬間があります。
長岡の冬は、豪雪地帯であるため毎年雪が降り積もります。
冬の移動手段に欠かせない車。冬道の運転は危険が伴うので、道路を快適に走行するために開発された消雪パイプが長岡には欠かせないものとなっております。
ただし、この消雪パイプの掃除作業や維持管理が面倒くさいところにもなっています。
年に1度の掃除を行うのですが、私の住む町内では協働してメンテナンスを行っています。
おかげさまで、通勤通学に使う大切な道路が維持でき、雪遊びなど楽しむことも出来ています。
協働は「面倒くさいけど大切なこと」に達成感ややりがいをもたらし、「楽しい」に切り替えてくれる。
人生において、不便や面倒くさいを感じる裏側には、意外と満足感をもたらしてくれる宝が隠れているのかもしれませんね。
文 市民協働ネットワーク長岡 事務局 髙橋秀一
◆―――――――――― ◆
「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。 感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。