突然ですが、私はNishikigoiNFTを所有する、NFT(※1)ホルダーです。今回はこのNFTを発端にして、私の身の回りで起きていることについて皆さんにお話しします。
NishikigoiNFTをざっくり説明すると、新たなデジタル技術を用いて発行された、団体(山古志住民会議)による会員証の一種で、「デジタル山古志村民の住民票」とも呼ばれます。この10月23日で、事業開始から丸一年を迎えました。最近では「デジタル村民の人口がリアル住民の数を抜いた」、「グッドデザイン賞に選ばれた」とメディアに取り上げられ、広く知られるようにもなりました。
私はこのデジタル村民になったことで、文字通り新たな“居場所”ができたように感じています。
〜NFTにはオンラインコミュニティ、通称「山古志DAO(※2)」があります。雑談チャンネルをはじめ「現地滞在ブログ執筆」「仮想山古志建造」「環境音採集」など、ユニークなチャンネルが続々と出現。参加者は興味のままに各チャンネルに顔を出し、時にはそこで各自の得意なスキルを発揮、披露することも可能です。
山古志DAOでの人間関係も独特です。デジタル村民になった理由は皆様々ですが、コミュニティ内には妙な一体感が感じ取れます。時折私は県外から山古志を初めて訪れる仲間を迎えることがあり、その時は初めて会うのにどこか親近感がある、という不思議な感覚を味わいます。
私は「現地滞在プロジェクト」のホスト役や「石仏3Dスキャン収集プロジェクト」の一員として現地とオンラインの双方を行き来しています。所属メンバーは、大手企業の肩書のある人であったり、専門家や一学生だったりと、どれも日常では縁の無さそうな人たちばかり。そんな彼らと旧知の間柄の様に楽しんでいます。
当初私がこの NFTを手に入れた時は、ここまでの展開を想定していませんでした。ですが、それをきっかけにして、新たな遊び場と遊び仲間が増えたというわけです。内向的な私ですから、むしろWeb発の人間関係は性に合っているのかも知れません。
NishikigoiNFTは地域を活性化させるNFTの先行事例としても世間から注目されているようです。私も一人のデジタル村民として、その面白さを広める手助けができればと思い始めた今日このごろでした。
※1. ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位。非代替性トークン(ひだいたいせいトークン、英: non-fungible token、略称: NFT)【出展:Wikipedia】
※2. 特定の所有者や管理者が存在せずとも、事業やプロジェクトを推進できる組織を指す言葉。分散型自律組織(Decentralized Autonomous Organization、略称:DAO)【出展:Coincheck】
文 市民協働ネットワーク長岡 事務局 福田洋介
◆―――――――――― ◆
「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。 感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。