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前回、今日どう?通信を執筆したのは令和5年2月でしたので、久しぶりとなります。
市民協働ネットワークの理事でありながら、普段、「協働」をあまり意識しない生活をおくっています?ので、理事の立場とは言え、いささか恥ずかしい限りです。
さて、私は、長岡市社会福祉協議会という法人に勤務しています。社協という職業柄、人に対しての説明や文章の作成が得意と思われがちですが、その意に反し、全くの苦手です。プライベートでも、ほぼ活字を読まない人間です(笑)。
そんな私が、約1年前、令和5年6月頃、新潟市西区社協が主催する「地域福祉文学大賞」の募集記事に目を引かれました。これは、12,000字以内で地域福祉を題材にした小説の募集です。
普段、活字を読まない者が小説なんて無縁の世界と思っていました。しかし、20年前の新潟県中越大震災の経験から、世間にはあまり知られていない災害ボランティアセンターを題材にした一職員の奮闘記を多くの人に知ってほしいという思いが湧き出てきました。更には、入賞すれば、副賞ももらえることから、“清水の舞台から飛び降りる気持ち”で執筆に踏み切りました。
原稿の作成に当たり、基本は、20年前の新潟県中越大震災時の災害ボランティアセンターの出来事をまとめ、そこに、フィクションを織り交ぜ、物語を作成しました。また、作者の名前については、私は社協職員であるため、公(おおやけ)の寿(ことぶき)を願うという意味から、「新港公寿(しんみなとこうじゅ)」というペンネームにしました。
完成した作品を読み返すと、登場人物同士が、一つの目標に向かい、手を携えて、ともに協力するといった行動。時には、登場人物の想いが如実に表れ、試行錯誤しながらも協働を体現した作品として仕上がりました。
全国の小説マニアが応募する中ではありましたが、令和5年9月下旬には、新港公寿の処女作である、タイトル『未知の世界に向かって』の原稿を提出。受賞の発表は令和5年11月30日の夕方に新潟市西区社協のホームページにて公表され、数ある作品のうち、運よく部門賞をいただくことができました。新潟県の入賞者は私一人でした。 折しも、先月には、阪神・淡路大震災から30年を迎えました。ボランティア元年、ひいては協働活動の先駆けとなった出来事から早30年。この間、長岡市は、中越大震災を経て、平成24年(2012年)に市民協働条例が制定され、市民協働の分野は名実ともに飛躍的な発展を遂げています。専門機関と市民、専門機関同士、市民と市民など様々な協働はありますが、組織、分野の枠を超えての協働=長岡のまちを良くしていこうという取り組みは、わが長岡の誇れる文化だと感じています。未知の世界に向かい、これからも皆が協力して良いまちを創り上げるため、ともに邁進していきましょう。
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 理事 本間 和也
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
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