
今も昔も「頑張れ」という言葉に少しだけ苦手意識があります。
もちろん、応援の気持ちがこもっていることは分かっています。
でもどこか、「もっと力を出さなくては」「気合で乗り越えないと」と、自分を無理に奮い立たせなければならないような気がしてしまうのです。
だから私は「頑張れ」という言葉を「踏ん張れ」と変換して捉えるようになりました。
ただ、「踏ん張る」と聞くと、歯を食いしばって耐えるようなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、私にとっての「踏ん張る」は、木や植物が静かに根を張っているような姿に近いです。
風が吹いても倒れないように、しっかりと地面に重心を置く。
無理に動かず、今いる場所に足をつけて、自分なりのペースで立ち続ける。
それが、私の考える「踏ん張る」です。
協働という言葉にも、どこか似たような空気を感じます。
地域や誰かと関わることは「みんなで一致団結して頑張る」というイメージがあるかもしれませんが、実際には誰かが無理をして成り立つ関係は長く続きません。
誰かが少し疲れていたら、別の誰かがそっと支える。
それぞれが自分のペースで踏ん張りながら、足りないところを自然に補い合っていく――
そんな「根を張るような協働」が、私たちの暮らしに馴染んでいくといいなと思っています。
今日も植物たちに声をかけながら、自分自身にも言い聞かせます。
「もうひと踏ん張りしてみよう。」
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局 栗林渓
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
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