マスオさんになった私 | 辰田覚 | 今日どう?通信

私事ですが、今年は生活環境が激変した年でした。
4月には2年間延期になっていた結婚式を東京からも家族や友人を招いて開催。
5月からは妻の実家の皆さんと同居を始め、俗に言う「マスオさん状態」になりました。
そして7月には第1児が誕生したことで、4世代が同じ屋根の下で暮らすようになり目まぐるしい日々が続いています。

そこで今回は「マスオさん状態」についてふれていきます。

まず「マスオさん状態」の次のキーワードとして出てくるのが、限界、離婚、ストレス、別居、離婚率、うつなどいったぞっとするような内容でした。この時点で今更ながら少し不安を覚える私がいます。
そして「マスオさん状態」について書かれている様々なブログなどを閲覧すると、脱出する方法やストレスをためない方法などが多く書かれていましたが、中身を見てみると

「休日にゆっくりやすめない」

「外出しづらい」

「生活費の負担をどうするか」

「両親への感謝が薄れてしまいがち」

などがありました。

一般的に同居生活は、「気をつかう」「干渉されると嫌だな」というマイナスイメージもあるということが見て取ることもできましたが、鈍感な私には、今のところは同居したことで上記にあげた、いわばデメリットを感じることがほとんどありません。むしろ困ったときにすぐに頼ることができ、力仕事などは任されることもあります。
何より一緒にお酒を飲めたり、人からいただいたものをシェアできたりと良い関係が築けているのではないかと勝手に思っています。

私のようなこともそうですが、同居は他にも上手くいけば経済面や子育て環境、介護など様々な問題に対してのメリットを期待できるといわれていますね。
ただ先にあげたことをマイナスにせず、お互いの生活を守るために共通しているのが、「会話」をして誤解やわだかまりを生まないことだと思います。
私の場合は、毎日ではないにしろ食事を一緒にする機会を作るようにしています。
今まで一緒に暮らしていない人が同じ屋根の下で暮らす中で、生活の環境や価値観は違うのが当たり前で、困ったことやわからないことがあれば聞けるような環境と関係性を作る。そして自分の中でため込まないように生活しています。そうすることで今のところはわりとスムーズに事を運ぶことができていると勝手に自負しています。(私の家族がこの記事を見た時にどう思うかはひとまず置いておきます。)

今まで関わってきた地域活動に照らし合わせても答えは同じでした。活動に対する課題や実現したいことを誰とも会話をせずに自分のエゴを突き通すだけでは絶対に上手くいかない。大変かもしれないけれど会話を重ねることでお互いのことをよく知れ、お互いが納得して物事を進めることができます。当たり前のことをするのは意外に大変で、それを継続することはなお難しいです。そういった会話の積み重ねで活動が熟成され世間や人からも知らないうちに自然と認められていくのがほとんどでした。逆に会話をせずに進めていくと、、、

長岡に来る前の私は地域活動をしたことがなく、興味はあっても実践に移すまでの思考には至りませんでした。
先日地元の友人に会った際に「辰田からボランティアや地域活動なんて言葉がでてくるようになるとは思わなかった」と言われる始末です。そんな私が協働や地域活動が持つパワーを肌で感じたことで、家庭の中でもそれを実践して小さな地域を作るようにお互いが支え合った方が良い生活になるのではと思うようになりました。
地域活動をせずに、人と人とがつながることで生まれるパワーを感じることがなかったら、同居という選択はせずに自分たちの力だけで生きていこうとしたかもしれません。協働や地域活動が私の性格を変えてしまったのかもしれませんが、それは良い変化だったと信じています。

相手を思いやることや自分の気持ちを相手に伝えること、感謝の気持ちを忘れずに、当たり前の会話を大切にして家庭内でも協働していこうと勝手に決意表明となってしまいました。
そして、ここで書いたことを悔やまないようにこれからも「マスオさん」として日々を充実させて生きていきたいですね。

文 市民協働ネットワーク長岡 事務局スタッフ 辰田覚

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