
コミュニティデザイナーの山崎亮氏の著書『縮充する日本―参加が創り出す人口減少社会の希望―』(2016 PHP新書)で初めて目にした「縮充」とうい言葉。
この言葉とまちづくりがどう関係があるのか、本を読み進める中で「なるほど」と思いました。
「縮充」とは、もともと生地を加工する際の用語であって、山崎氏は、縮充加工された生地の愛用者で、身につけたときの心地よさや優しさに惹かれ、この言葉をまちづくりのキーワードとして用いたようです。
―縮みながら充実させて、質感が良く暖かい地域社会をつくることー
と、山崎氏は地域の縮充を説明しています。
以前、小国地域で総代のみなさんとともに、これからの地域を考えるのワークショップを行なった際、一人の総代さんが「これからは集落の終活だな!」と満足げな顔で言いました。
「終活」は、これまで人任せにしていた自分亡き後の始末を生前に自分の意志で、前向きに準備すること。確かに、集落のことも人任せにせずに関わって行こうという姿勢は素晴らしいと思います。
でも、「地域が無くなってしまう事を前提にした地域の終活」はさみしさを感じます。
それならば、「縮充」という、「人口が減っても、小さくても中身のぎゅっと詰まった、心地よい地域」をめざし、一人ひとりができることを持ち寄って、充実した地域をつくり続けていきましょう!
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 代表理事 渡辺 美子
◆―――――――――― ◆
「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。