昨日で、中越地震から9年を迎えました。
長岡市川口では、「川口の5000人のきずな」という本が発行されました。
これは、川口地域の皆さんが震災直後から復興の過程の中で、
「お世話になった人」「感謝を伝えたい人」などにお手紙を書き、
手紙とその返信が載せられているものです。
私はこの中で、特に好きな手紙があります。
それは、60代女性の方が、自身の集落の方々、子どもたちに宛てたお手紙です。
彼女は、自らの住む集落を
「都会に出た子どもたちが困った時に、帰ってこれる地域にしたい」
と手紙にしたためています。
この地域がこうなったらいいなという「ヴィジョン」を、なんとも暖かい言葉で表現していますよね。
みんなの腹に落ちるヴィジョンというのは、こういう小さなつぶやきから生まれるのではないかと
改めて感じられました。
彼女は、集落の仲間と、自然環境を守る活動や集落の伝統行事を守る活動をしています。
こんな想いを、地域の人たちも、地域から出た人たちにきちんと届いたらいいなぁと感じます。
被災地では、復興の過程の中で多くの集落で、集落のヴィジョンなるものを話し合って作ってきました。
それを集落みんなで共有していくこと、地域外にも発信していくこと、
実現していくために色んな人たちが協働できる舞台を作っていくことが、これからも大事なのだと思います。
「川口の5000人のきずな」は、川口きずな館で、1冊1,000円で販売されています。
川口きずな館 TEL:0258-89-3620
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局 阿部巧
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。 感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。
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