みなさんは「若衆宿」というものを聞いたことがあるでしょうか。かの有名な太鼓芸能集団「鼓童」の方が、佐渡には元々地域を学ぶ「若衆宿」があったのだというお話をされるのを先日お聞きしまいた。実は、佐渡だけではなく、かつて日本全国の集落にはそういう場があったそうです。
この若衆宿、簡単に説明すれば、村の若者は一定の年齢になると独自の宿を持ち、夜になると宿に集まって合宿生活を行い、そこで村の伝統を学び、自己研鑽に励み、一人前の大人へなるための資質を身につけるものだそうです。
自らが「地域を学び、そこでどんな役割があるのかを考える」、地域の世代別の若者組織にはそういう役割があったのだということを気づかされます。地縁の組織は、衰退の一途を辿っています。「そこに住んでいる以上やらなければいけない」という息苦しさから、最近は敬遠されがちなもののようです。
しかし、地域を自治する気持ちと力は、地元を学ぶという事をせずに生まれることはないでしょう。何もそんなにストイックにやる必要もないですが、地域に住む若い人達が自治的な空間を作り、地域について考え、遊ぶ場があっていいでしょう。おそらく若衆宿だって若者が集まる場です。どんな時代だって…な事もあったでしょう。
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局 阿部巧
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。 感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。
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