「学校の未来」と地域の「協働」 | 渡辺美子 | 今日どう?通信

私が小学校5年生まで通っていた加茂市立加茂小学校が数年後に閉校するというニュースを耳にしました。かつては街の中心部にあり、1クラス45人の6クラス編成、全校で1,500人を数える、子ども達の声で賑やかなマンモス校でした。それが、半世紀で全校児童数が200人ほどに激減してしまったのです。

小学生時代に友達と無邪気に遊んだ思い出までが消えるわけではありませんが、言葉にできない寂寥感を覚えます。

しかし、これからの社会を担う子どもたちの教育環境がこのままで良いかは、また別の議論が必要だと思います。

コミュニティデザイナーの山崎亮氏が提唱する「縮充(しゅくじゅう)」という概念は、人口減少を悲観するのではなく、規模が縮小する中で暮らしの質を向上させようという前向きな視点です。

この考え方に重ね合わせると、学校を子どもたちの教育の場に限定せず、大人や地域にとっても必要な場として再定義していくこと。そこに地域づくりの拠点としての新たな可能性があると感じます。

例えば、子どもたちの教育の場としての機能に加え、高齢者の交流の場、子育て支援の場、防災拠点、地域活動や文化活動の拠点など、多様な役割を持たせることで、学校は再び地域の中心になり得ると思います。

これからの学校を地域のみんなで考え、協働していくこと自体が、縮小する社会の中で地域の豊かさを育てていく、「縮充」の一つの実践なのではないでしょうか。

文部科学省では、「学校施設の複合化・共用化を行うことにより、施設機能の高機能化・多機能化に伴う児童生徒や 地域住民の多様な学習環境の創出、公共施設の有効活用、財政負担の軽減等につながることが 期待される。学校施設と他の公共施設との複合化の需要が高まっている。」と報告しています。

実例として他県では、公立の小中学校と高齢者施設や保育園、図書館、地域住民のコミュニティスペース、文化施設といった複合施設が機能しています。

これからの学校を考える事は、大きな「協働のチャンス」です。行政主導の整備に留まらず、子どもから大人まで、地域住民一人ひとりが「これからの学校のあり方」を自分事として考え、「未来の学校」を語り合ってみませんか。

写真はイメージです

文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 代表理事 渡辺 美子 

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