協働センターでは年に1回、まちづくりや市民活動に興味を持ってくれる人を増やそうと講演会を企画しています。今年は、2024年12月14日に『ながおか暮らし編集会議2~居場所づくり編~』を開催しました。
基調講演では「楽しみ、助け合うコミュニティのつくり方」をテーマにHITOTOWA INC.のシニアプランナーの田中宏明さんから講演を。第2部には実際に居場所・コミュニティづくりを実践している「長岡つるしびなの会」、「山古志デジタル村民」、「シェアスペースひらく」の3団体をゲストに迎え、コミュニティの運営で心掛けていることや課題や工夫などを議論しました。
「居場所」というテーマを選んだ理由は、いま世界的に孤独・孤立が深刻化していると言われているからです。
なぜ、人びとが孤立してしまうのかというと、グローバル化や技術革新による働き方の変化、都市化、オンライン化、生活スタイルや慣習の変化などさまざまな要因が複雑に絡まりあっているので一言では言い表せません。けれど、イギリスが2018年に世界で初めて「孤独担当大臣」を設置するなど、国家が対策を打つような状態であるというのは間違いありません。
日本は、OECD加盟諸国中で最も家族以外の人との交流が少なく、また国内の調査でも日本人の40%近くが「孤独感」を感じているという結果が出ているなど、状況は深刻です。そんな中、イギリスに次いで世界で2番目に孤独・孤立対策担当大臣を設置するなど対策も動き出しています。
しかし、居場所や人とのつながりは、政策の中で行政や企業、NPOといった他者から与えられるものなのでしょうか?
本来であれば、居場所やつながりは、暮らしの中で自然と生まれるようなものだったのではないでしょうか?
そんなことを考えながら、今回の『ながおか暮らし編集会議2~居場所づくり編~』の企画をまとめて行きました。
当日は、自らの手で居場所をつくっている人たちが、何を考えて、どうやってコミュニティを立ち上げたり、運営したりしているのか?を、ご本人たちから実感のある言葉でお聞きすることができました。
今回、改めて実感したのは、わたしたち人間が一人ひとり全く違う人間であるように、居場所やコミュニティというものも一つ一つ違うということ。だからこそ、コミュニティ運営は「こすればうまくいく!」という攻略法がある訳ではないということ。そして、ゲストの皆さんはコミュニティをより良いものにすべく日々知恵を絞って工夫を重ねているということでした。
わざわざ自分たちで汗をかかなくとも、便利になった今の社会では、さまざまなサービスを享受することができます。そんな中で、わざわざ自分たちで汗をかいて、コミュニティを運営したり、市民活動をしたりするというのは、もしかしたら少数派かもしれません。だからこそ、そのコミュニティや市民活動、そこに生まれる居場所を守るためには、いろんな人の「働きかけ」(つまり、協働)を意図的に生み出さなければなりません。そうしなければ、そうした私たちの居場所はあっという間に立ち消えてしまうかもしれない・・・。
コミュニティに真剣に向き合いながら、創意工夫をしている登壇者の皆さんの発表を聞きながらそんなことを感じました。
『ながおか暮らしの編集会議2~居場所づくり編~』はアーカイブ動画をご覧いただくことができます。
ぜひ、実践者の具体的な声を聞いてみて下さい!
■アーカイブ配信申込 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScArEi1G_nPGcNPFvGj3ch8hUjPmBUK5vmOqgUaYHfuvxAm4g/viewform
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 理事 唐澤 頼充
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
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