心地よい学びの場のカタチ | 髙橋秀一 | 今日どう?通信

長岡市市民協働条例が施行されてから2022年6月で丸10年になります。
条例策定計画の時に生まれた私の娘もほぼ同じ時を過ごしてきました。子どもの成長とともに、協働を身近に感じることが増えてきました。

昨今、ライフスタイルや価値観の多様化、社会経済情勢の変化等に伴い、少子高齢化や地域のつながりの減少による地域の教育力の低下や、発達障害や貧困といった福祉的な課題の増加などを背景に、学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、学校だけではなく、社会全体で子供の育ちを支えていくことが求められています。

先日、宿題サポート冬休みスペシャルに参加してきました。
宿題サポートでは、しっかり準備して教える余裕が無いとできない書道や前学期で分からなかった教科を、大学生のお姉さんから2時間ほど教えてもらいました。

子どもたちにとっては、楽しい冬休み。我が家では、妻が年末年始の休みもなく仕事となるワンオペでの長期休みとなります。掃除や料理など家事をこなし、子どもたちに寄り添う時間も限られてきます。また、勉強を教えるとなると、学校での教え方などを理解した上で子どもに分かりやすく伝える必要もあります。親子だと、衝突が起きる時もしばしばあります。そんな家庭にとっては、宿題サポートはとても有難い存在でした。

こちらを主催した「子どもみらい食堂」さんは、長岡市中央図書館そばにおいて、地域のみんなで食事をしリラックスできる居場所として子ども食堂を開いております。
宿題サポートは、その一環として学習支援を行っています。学校でもなく、塾でもなく、大学生や高校生と一緒に勉強したりゆっくりできる場所です。
こちらの主催者である日吉さんは、子どもたちと親御さんの両方をサポートすることで、子どもたちが希望をもてる未来をつくりたいと運営されています。(2020年らこって11月号より抜粋)

その運営も持続可能な工夫がされています。以下が、私が感じた2つのポイントです。
①参画する地域の人にも学びがある
宿題サポートをする方は、教育学部や保育士の志望者などの学生や、教員OBなどのスキルを持った方、また子どもとの関わりを楽しむ一般の方もいらっしゃいました。
それぞれが、ただ教えるだけでなく、自らキャリア形成の出来る場となっています。
②継続して参加しやすいかかわり方
参加する子どもたちも毎日変わるように、宿題サポートするボランティアさんも無理なく日時を調整されています。

子どもたちがすくすくと学び楽しむ環境を整えるには、市民活動や地域活動など「支える場」=「協働」が必要です。そこには、地域の課題やニーズを把握するだけでなく、負担なく出来る体制を整えることも大切です。

学校教育においては、プログラミング教育やアクティブ・ラーニングなど2020年に教育改革がありました。
教員不足や働き方改革が叫ばれる中、学校と家庭だけの対応にも限界があります。
社会全体で子供の育ちを支えていくことが求められている現代。
多様な人が集まる市民活動団体やコミュニティ組織は知恵とノウハウが凝縮されています。
学校だけでない地域に開かれた心地よい「学びの場」を現代にあったカタチにするために、知恵とアイデアを絞りだし一緒に汗をかく「協働の場」をつくっていきたいですね。

文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局 髙橋秀一 

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。 感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。

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