協働パワー | 羽賀友信 | 今日どう?通信

●協働の担い手

協働条例が施行され11年目に入り、協働センターに相談に来た団体が延べ1320あると聞いています。市民センターができ、市民活動団体が20年をかけて成長してきた大きな成果だと思っています。

活動を振り返ると、4つの協働の担い手が明確になってきました。

まず1番目が行政です。行政がお墨付きを決定しなければなにも始まらないに等しく、信頼のおける非常にパワフルな背骨のような存在だと思います。行政の限界は公平性・公共性というところであるレベルまでは包括的に含みますが、本当に細かいところは手が届かないという問題を含んでいます。

2番目がNPOですが、行政が手を伸ばせない細かいところまで、活動の手を差し伸べることができ、行政とは補完の関係にある重要な協働の担い手です。課題としては、自己資金の確保が難しく、また柔軟に対応できるゆえの脆弱さを兼ね備えています。しかし、地域の担い手としても重要な存在になっています。

3番目が企業です。企業は牽引力としては非常にパワフルでスピード性がありますが、収益が上がらなければ活動ができません。このビジネスベースで見通しがつくと、一番パワフルな存在として、時代をけん引することができます。

4番目が市民です。市民ひとり一人が主体性をもって地域のことを考えていくときに課題が浮き彫りになり、その解決へとつなぐ大きな存在であり、まだ行政・NPO・企業の大きな支え手でもあります。地域が衰退しているところは無関心な市民が多く、治安も悪いと言われています。

●SDGsの推進とグローカルの視点

SDGsは地球規模の課題を世界が協働して解決する必要がありますが、基本は市民個々の自主性であり、その進め方の手法は、行栄NPO企業市民がそれぞれの得意性をもって臨まなければ解決しない課題です。ベースには市民の意識啓発が基本にあると言われています。

●長岡方式

長岡では人を育成し、その人たちが活躍できるシステムを構築し、最後に拠点を作るという方式がとられていると思います。夕張市ではこれが逆転で、最後の人が育たずに破綻をしてしまいました。

もう1つが3世代方式で、スーパーバイズできる世代、活動の中心となる世代、そして将来担い手になる人材として学ぶ学習世代、この3世代が続くことが活動の継続にとって重要課題だと思います。長岡の協働を推進する意味でこの2つは大切な要素だと思います。

文 市民協働ネットワーク長岡 代表理事 羽賀友信

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。

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