経営者の伴走支援 ~ 地域文化を未来へ繋ぐ協働のあり方 ~|市村 二三代 | 今日どう?通信

税理士登録から20年、私は多くの経営者の方々と税務計算を通じて知り合い、その「理想とする経営」と「業種ごとの財務のあり方」を深く理解する機会を得ました。
経営者の皆様の考え方は、時の経過や時代背景とともに常に変化します。
その変化を見過ごすことなく伴走支援を行うためには、経営者から発せられる言葉に真摯に傾聴することがとても大事だと感じています。

また、大きな困難にある経営者からは、悩みや不安をご相談いただくことが多々あります。
そのような際にどのような言葉をもって接すれば最善なのか、日々模索しています。

地域企業の継続こそが使命

近年、M&Aによる企業買収や合併が増加し、地域の多様な企業が少なくなってきている現状に危機感を覚えます。
どの地域に行っても同じようなチェーン店や大規模資本の傘下に収まる企業ばかりになると、地域独自の文化や技術も継承されなくなってしまいます。

この流れを防ぐためにも、地域の企業の経営者に深く寄り添い続け、一社でも多くの企業が独自性を保ち、継続できるように支援していくことこそが、税理士としての重要な使命だと考えています。

ヨガに学ぶ「心の調律」と協働の視点

そんな忙しい毎日を過ごす中で、私自身の身体および精神の健全を目的としてヨガを始め、5年が経過しました。
ヨガの時間は、私に大切な視点を与えてくれています。ヨガの先生からいただく言葉は、経営者への伴走支援のヒントに満ちています。
例えば以下の通りです。

「自身の呼吸を感じましょう」 経営者自身のペースと本音を深く理解する。

「心の中にあるイライラや不安はそのまま受け止めましょう」 経営者の悩みや困難を否定せず、まずはそのまま受け止める。

「今日、この時間ヨガが行えたことに心から感謝しましょう」 共に困難を乗り越え、成長できる「協働」という関係性に感謝する。

1時間のレッスンで心身ともに癒されるこの体験は、心を調律する時間の重要性を教えてくれます。

長距離走のゴールへ:地域を支える伴走者として

税理士と経営者の関係は、まさに協働経営を行いながら地域という舞台で長距離走を走っている感覚です。
私たちは、単なる計算業務の請負人ではなく、専門知識と人間的洞察力をもって経営者と地域の成長を支え続ける「伴走者」です。

地域経済と文化の多様性を守り、長距離走のゴールまで、経営者の最良のパートナーであり続けたいと思います。

文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 監事 市村 二三代

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。

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