ここ数年でブームとなっているサウナ。結果的にそのブームへ乗っかる形となりましたが、私が所属するもう1つの市民団体の有志数人で共同出資をしてテントサウナを購入しました。
私が初めてテントサウナを体験したのは2021年5月。ロケーション抜群の海の近くでテントサウナを設営し、サウナを出ると3歩で海(水風呂)にダイブ。海の上では特に力も入れずにプカプカと浮遊感を味わうことができ、陸に上がるとリクライニングベンチで青空をみることができました。それを数回繰り返していくと自然と頭の中がスッキリした気分になり、汗のしょっぱさがなくなり、肌のつやが良くなっていくのを感じることができます。脳と体がスッキリしていくことが、よく巷で言われる『ととのう』という感覚なのかもしれません。団体として8月に所有してからは、月に2~3回くらいは仲間内でテントサウナを楽しんでいます。
サウナ発祥のフィンランドでは公共サウナの数も多く、生活や地域の中にサウナがあるのが当たり前で、リラックスできるサウナで会議や商談を行うことも珍しくないとか。私もその気持ちがわかる一人になりました。
ただ回数を重ねるごとに感じるテントサウナの魅力の一つに、テントサウナというツールを使い仲間同士で集まりコミュニケーションを図れることがありました。コロナ禍になってからというもの、人と会いにくくなってしまったのはもちろんのこと、人と会って話すことが億劫になってしまいます。しかしテントサウナをやろうといえば、数人で気軽に集まる口実ができ、準備から撤収までを協力して行う必要があります。実際にそこまでに興味がない人にも、やるから遊びに来てはどうかと誘うこともありました。裸の付き合いとまではいかなくともサウナの中では着飾るものが少なく、本質に向き合う、相手の本質をみる、そして本音で語り合うということがしやすい環境が整っています。いざテントサウナを設営すると、そこが「青空会議室」へと変化していきます。
今日どう?通信の題材を考えていた時にふとテントサウナのことを振り返ると、みんなで資金を持ち寄っての購入、準備や設営、サウナを楽しんでいる最中などなど、様々な協働が自然に生まれていたことに気が付きました。もちろん私たちは協働したいからテントサウナを始めたわけではなく、個人的な趣味の中で楽しくて始めたことが結果的に協働につながっています。
私が所属するその団体では、たまたまテントサウナというツールで結果的に協働が生まれました。ほかにも私が関わらせていただいている市内で活動する団体さんの中には、ピザ窯を使ってピザを焼きSLを走らせている団体。マイナースポーツを長岡で一人で始めた人が今では子どもから40代までが所属するチーム作り、長岡で全国大会を開催する団体がいます。
皆さんも協働を意識して活動しているわけではないと思いますが、結果的に協働が生まれています。そんな素敵な協働が長岡で広がっているのを、協働センターに勤めてもうすぐ2年になる私は実感している今日この頃です。
文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 事務局 辰田 覚
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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
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