コロナ禍による自粛生活や野菜の高騰を契機に家庭菜園を始める人が増えています。
私事ですが、職場の仲間と一緒に3年前から畑をはじめました。その名も「きょうどう畑」。畑は、協働の宝庫です。
“協働とは、同じ目的のために、対等の立場で協力して共に働くこと。” – goo国語辞書
畑は、食べたい野菜を収穫する(目的)のために、土づくりや植え付け、草取りなどを(対等の立場で協力して)行い、汗をかき(共に働き)ます。
畑作業は、もちろん1人でやることも出来ますが、複数人で行った方がより多くの収穫物を楽しめます。
先日、市民協働センターで開催された講座の講師である西先生は、著書「社会的処方~孤立という病を地域のつながりで治す方法~」の中で“孤立・孤独は寿命を縮める”と言われております。
例えば、誰とも交流をせずにジムで黙々とトレーニングをしているおじいちゃんと、運動サークルに参加はしているものの、友達と喋ってばかりで活動には全然参加していないおばあちゃんがいるとします。研究結果に基づくと、後者のおばあちゃんの方が寝たきりになりにくいとのこと。
社会的処方とは端的に言うと、薬で人を健康にするのではなく、人と人とのつながりや地域とのつながりを利用して人を元気にする仕組みのことと西先生は言います。
ということは、畑作業も1人で行うより、複数人で行う事でなんと健康も手に入れられるということですね。
そして、今年も夏野菜をたくさん収穫することができました。
私たちのきょうどう畑では、みんなで収穫したい野菜を共同購入するほかに、各々が好きな野菜を勝手に植え付けもしています。
我々の畑仲間には、毎年枝豆に挑戦している方がいます。「枝豆は簡単にできる!」という言葉を信じ、今まで何度となく枝豆にチャレンジしてみるものの、なかなかご自身が思う収穫量にはなりませんでした。そして今年…3年分の想いが実り、多くの枝豆を収穫することができました。
おかげさまで、我が家もたくさんの枝豆を頂きました。せっかく頂いた枝豆。私たち家族だけでなくご近所さんにもおすそわけをしました。
「枝豆欲しい人いませんか~?おすそ分けしますよ~!」とLINEで呼びかけると、コロナ禍でなかなか一緒に遊ぶことができなかった数軒の家族がやってきました。「夏休みの宿題おわった?」 「今度、キャンプ行こうよ!」「大きくなったね〜。水泳何m泳げるようになった?」など、会話も弾みました。おすそわけする口実が無ければ、このような会話も生まれませんでした。
何気ないおすそわけですが、そこには「相手を思いやる気持ち」があります。
「困ったときはお互いさま」おすそ分けをきっかけに、また日々のコミュニケーションが始まりました。畑には、協働の種(きっかけ)がたくさんあります。
文 市民協働ネットワーク長岡 事務局 髙橋秀一
◆―――――――――― ◆
「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
感想など、お気軽にコメントなどでお寄せ下さい。