終活その2|山岸 豊後|今日どう?通信

 17年前に父が急逝しました。

 本人もまさか急に死ぬとは思っておらず、引継ぎも無く、遺影をどれにするかで親族が結構悩みました。一年後に母が遺品を整理していた際に、父が毎年写真館で撮影していた遺影写真候補が10年分ほど出てきて、「言っておいてくれればよかったのにね」と笑い合いました。この経験から、数年前から母に「遺影をどれにするか」を確認していました。母も良い気はしなかったと思いますが、父のことがあったので付き合ってくれました。

 この春、その母が急逝しました。

 一緒に買物に行こうと話していた前日に、いきなり亡くなってバタバタと葬儀を済ませましたが、遺影は自分が選んだものでしたから文句は無かったかと思います。次は自分が死んだ時に家族が困らないように、最低限の引継ぎ事項をまとめておかねばと思っており、先日、「遺影」はわかるようにしました。

 いきなり私的な話で失礼しましたが、組織や仕事も同じだと思っています。

 最近「後継者がおらずに廃業」とか「他社に合併してもらった」「休眠」などの話をよく聞きます。

 会社に限らずNPO法人でも任意団体でも、何らかの目的を持って活動していますから、自分が活動できなくなったら、あるいは今のリーダーをはじめ幹部が動けなくなったらどうするかという視点を持って活動しなくてはいけないと思います。

 もちろん存続させるべき活動が多いと思いますので、存続できるように後継者や組織を作ることに一定の精力を使っていただきたいと思います。

 一方で、取り組んでいる事業が無くなっても困らないもの、他に簡単に代替ができるものであれば、整理精算を考えてみることもお薦めします。

 以前書きましたが、一歩活動から距離を置いて、客観的に存在価値があるか、言い換えれば自己満足に陥っていないかを考えてみる、スタッフで議論してみることも必要だと思います。

 ついでに両方を経験したので一言。事業を起こす時には、前向きなので結構パワーが出せて、イケイケで立ち上げ、試行錯誤しながら拡大することもできますが、整理する時は後ろ向き作業になりますので、手伝ってくれるメンバーも限られ、特に主導する人には、それなりの決意と粘り強さが必要になります。撤退作戦は難しい。

文 市民協働ネットワーク長岡 理事 山岸豊後

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。
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