お金で測らない小さな市民活動を「ソーシャルグッドな趣味」と名付けてみる | 風間直子 | 今日どう?通信

先日、地域の活動で毎日ヤマメのエサやりを担当している知人と話していて気が付いたことを書きたいと思います。
その人は、植物や生き物が好きで地元の環境保全サークルに所属しています。その会のみんなで育てているヤマメのエサやりが毎日で面倒くさいし、一日の日当は30円くらいで大したお金にもならないと言っていました。

私自身のことを考えてみると、仕事として取り組んでいることの収入がいくらかあり、そのほかに、畑サークルや茅葺屋根の古民家の保存・活用、図書サークルなど逆に会費を払い、さらに自分の時間も使いながら取り組んでる活動があります。

このお金を払って取り組んでいる活動は、市民活動というと大げさかもしれません。「ソーシャルグッドな趣味」といったところです。

確かに、知人が言っていたように、お金という対価で換算すると、持ち出しの方が多くてとってもがっかりします。

でも、活動をしながら世間話がはずんでメンバーとの関係が深まったり、へんな形でも自分の手で野菜を育て収穫する体験ができたり、暮らしに役立つ情報が手に入ったり、お裾分けをもらったり、引っ越しを手伝ってくれたり、私にプラスなことがたくさんあります。

きっと私の知人もこの「ソーシャルグッドな趣味」に取り組む人のひとり。

そして、長~い目で見れば、知人も私のこの取り組みも、耕作放棄地の活用や、環境保全、孤立しない社会の実現、地域文化・技術の伝承などなど、地域がよくなることに微かにでもつながっているかもしれません。(そうだといいな。)

私の場合、「ソーシャルグッドな趣味」を楽しく前向きに行うにあたり、生活を支える収入とは切り離して考えることが大事ではないかと思っています。

もちろん、活動の収支や継続できる活動資金の回し方は最低限ちゃんとした方がいいと思いますが、対価をお金だけにしないからこそ得られていることがたくさんあるし、私自身のいい息抜きの場になっていて心身の健康を保てているように思います。

お金にしようと思うと、メンバーには効率よく無駄口をたたかずに作業してほしいし、協力を求められても、お金にならないお手伝いは断りたくなります。ちょっと殺伐としたこの気持ちは、自分でも苦しくなるので、お金を得られる仕事の時だけにして、「ソーシャルグッドな趣味」をする時には、集まった人とのおしゃべりを存分に楽しみながら、気楽にのびのび取り組みたいと思うのです。

お金を稼ぐのが大変な今の時代において、お金との関係も本当に難しいと思います。

みなさんには、どんな「ソーシャルグッドな趣味」がありますか?また、自分の時間を使いどんな対価を得ていますか?ぜひ聞かせてください。

文 市民協働ネットワーク長岡 事務局 風間直子

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