きょうからキョウドウ通信vol.97

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[きょうどう?通信]

お寺

8月15日、今年も長野県小谷村の菩提寺で施食会(せじきえ)に参列してきました。
昔は施餓鬼(せがき)会と呼ばれていた行事で、「餓鬼」という呼び方が良くないからと、名前が変わったとのこと。鬼滅ブームですから、以前の名前のほうが良かったのに。と思いながら焼香をしてきました。

この寺は、曹洞宗で戦国時代の武田領の寺です。檀家の範囲は小谷村を中心に、南は長野県大町市から北は新潟県糸魚川市の長野県境あたりまでの山間に集中しています。

父が急逝して数年たった頃、住職から「寺の役員になってくれ」と、電話がありました。寝耳に水の話です。それから連日の電話攻撃に根負けし、後先考えずに引き受けてから十年程がたちます。

この十年で気になっていることが2つ。

一つ目。人口減少による檀家数の減少です。

十年たった今、檀家数は約3割も減ってしまいました。毎年「どこそこの爺さんが名古屋の子供に引き取られて、あちらの寺の檀家になった。」くらいの話題では気にもならなかったのですが…。

問題は、寺の収入が減り、徐々に維持が難しくなってしまうことです。寺の建物もどんどん古くなり、修繕個所は増えるし住職にだって生活があるわけで…。

就任してから2.3年経った頃、千載一隅のチャンスがあって、こう切り出しました。

「お寺の合併を考えませんか」

住職をはじめ、他の役員は狐につままれたようでした。同じ宗派でも系列みたいなものがあるそうで、私も就任後間もない時期で強行する自信が無く、今となっては後の祭りです。

2つめは、役員のメンバー構成です。

役員は毎年同じメンバー。しかも少しずつ抜けていきます。

若い人はどんどん山村から出ていきますから、平均年齢は毎年1歳をはるかに超えて上がってゆき、十年たった今でも私らの年代が若手なのです。

私の祖父母世代までは、多くの方が先祖伝来の土地で生活をし、私の生まれた15戸の山中にある村も、すべて同じ寺の檀家でした。

村の役には、区長(村の代表)を筆頭に、副区長・営繕担当・続いて「寺地区総代」…と、いう役があっても、まったく違和感がなかったのです。多くの村も同様でしたが、その役員を選出できない村・消滅した村が発生してきています。

寺の役員も、以前はメンバーの3分の1が入れ替わっていたのですが、最近では同じメンバーが続いています。しかも、ぽつりぽつりと地区総代が選べない村まで発生しています。

都会地へ転居しても檀家で残ってくれる家が多く、遠隔地でも護持会費を収めてくださるのは、ありがたい限りです。

しかしながら、さすがに草刈りなどの作業は手伝ってはもらえません。

人手が少なくなり、寺まで運転できない人や、気持ちはあっても足腰が…。そんな役員も多くなり、草刈りも外注にしようか。でも予算をどう捻出するか…そんな議論が交わされています。

なんとも暗いお話を最後までお読みいただき、恐縮です。

ふと、私のかかわってきたNPO法人や任意団体、町内会の抱えている問題と似ているような気がして長岡に帰ってきました。

文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 理事
  山岸豊後

「今日どう?通信」とは 「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。

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