異業種のプロフェッショナルが織りなす「協働」の講義|市村 二三代|今日どう?通信

 先日、6年間にわたり講義を担当してきた北里大学保健衛生専門学院にて、最終講義を無事終えました。

 6年前に初めて講義を担当したスタート時は模索の連続でした。税理士である自分が、未来の管理栄養士を目指す学生たちに何を伝えるべきなのか。就職活動や国家試験の受験勉強で多忙な4年生に対する講義という点でもいろいろと悩みました。「管理栄養士」という専門職と、私の専門分野である「税金や経済」がどのように結びつき、彼女・彼らの人生にどう作用するのか。当初はその接続点を見出すことに特に頭を悩ませました。

 思案を重ねる中で行き着いたのは、「管理栄養士も税理士も、自立したプロフェッショナルとして人生を歩んでいく点では同じである」という気づきでした。目指すべき授業は、一人の専門家として社会に出る上で、経済動向を把握し、税や社会保障の仕組みを理解すること。そして自力でキャリアアップや資産形成を図り、社会的地位を確立していけるような知恵を授けること。そうした視点から授業を組み立て直しました。

 この講義は、私からの一方通行な伝達ではなく、私と学生たちが共に学びの場を作り上げる、まさに「協働」そのものでした。私の投げかける専門外の問いに対して、学生たちは真正面から向き合い、互いに良い相互作用を生み出してくれたと感じています。

 その手応えは、最終回に実施したアンケートの言葉に凝縮されています。

 「就職してからの資金面での不安がなくなりました」

 「SDGsの学習を通じて、プロとしての自分の視点が定まったと感じています」

 「労働の対価である給料から、税や社会保険料を負担することの本当の意味が理解できました」

 多忙な最終学年において、週1回・1コマという限られた時間。その中で私が投げかけたボールを、彼女・彼らがしっかりと受け止め、自身の力に変えてくれたことが何よりもうれしかったです。

 専門分野も世代も違いますが、互いの知見を尊重し合い、高め合うプロセスこそが「協働」の本質です。経済学というツールを通じてプロとしての視座を共有した時間は、教壇に立つ私にとってもかけがえのない学びの機会となりました。これから社会へと羽ばたく未来のプロフェッショナルたちに、心からのエールを送ります。

文・NPO法人市民協働ネットワーク長岡 監事/税理士 市村 二三代

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。

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