小さな集落での出来事 | 渡辺美子 | 今日どう?通信

和島地域の、ある集落に2年間通っています。
少子高齢化が進む中、若手の代表6人と共に、集落の未来を考えるワークショップを行なってきました。

全世帯へのアンケート、集落の役員、団体、男女別に集まってもらってのヒアリングなどを行ない、出てきた答えの中から課題を見つけ、より良い解決方法を探して、集落の維持に繋げたいという目的で続けてきました。
決して「地域活性化」という、曖昧な甘い誘惑的な言葉は使いません。今の生活が維持でき、未来に少しだけ希望が持てる集落であれば充分で、誰かが導いてくれるのでは無く、自分たちで考えて行動し、ひとつひとつの課題を解決し達成感を共有して行ければ目的達成です。
よそ者で集落内のことを何も知らない私が何をするかと言えば、ただ話しを聴くだけです。そして、集落の事情を教えてもらうだけです。
何も知らないから知るために住民アンケートを行ないました。生の声を聴きたいので、集まっていただきました。

話に出てくるのは、住民が多かった頃のこと。子どもたちが集まって遊んでいたことや町内行事で住民が集まって賑やかだったことなどを懐かしそうに話してくれました。
今すぐに住民を増やして賑やかさを取り戻すことは不可能で有ることは、みんな承知です。でも、その時の空気感や人との繋がりの強さは取り戻せるのではないかと思います。

協働は、先ずは相手を知ることから始まります。目指す目的が一緒であるか、目的達成への手段の違いは何処にあるのか、補完し合えるのか。知るためにはコミュニケーションが必要です。

40代の男性が、「やっぱり会って話しをしないと始まらないな!」と声をあげました。新型コロナウイルスの影響は、過疎化の課題に追い打ちをかけました。それに抗おうと動き始めた集落へ、来年も通います。よそ者が側で見ているという緊張感を携えて。

文 市民協働ネットワーク長岡 理事 渡辺美子

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「今日どう?通信」はNPO法人市民協働ネットワーク長岡の事務局・理事その他関係者が、市民協働をテーマに日ごろ感じたこと、気づいたことをしたためるリレーエッセイ・コラムです。

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